Skip to content
cfd-lab:~/ja/posts/2026-06-04-natural-conve…● online

この記事は著者が韓国語で書いた原文の翻訳です。 原文(한국어)を読む

NOTE #062DAY THU 유체역학DATE 2026.06.04UPDATED 2026.10.19READ 5 min read#Flow-Phenomena#Natural-Convection#Boussinesq#Rayleigh-Number#Nusselt

静止したまま温まる流体 — 自然対流とレイリー数1708

同じ Ra に 1/3 の指数を載せると熱流束は約 149 まで落ち、1e9 は高さ約 0.73 m で初めて届きます。

床を温めても、流体はしばらく止まったままです。動くのは熱だけです。縞の渦は一斉に点きます。その戸の数字がレイリー数 1708 です。

Ra のスライダーを 1708 より下げると粒子は止まり、温度は上下に分かれます。その上に上げると、互いに逆回転するロールが点きます。

critical Rac = 1708  ·  state: steady convection rolls (Benard cells)

閾値のすぐ上では循環は弱いです。スライダーをさらに押すと境界層は薄くなり、セルは強くなります。

浮力と粘性がぶつかる場所

自然対流は、ポンプなしに密度差がつくる流れです。床が熱くなると、その上の流体は膨張して軽くなります。軽い塊は浮かび上がろうとします。これが浮力です。

浮力だけなら流れはすぐ始まります。粘性は浮かぶ塊を摩擦で捕まえます。熱拡散は熱い塊の温度を消し、浮力が頼る温度差まで消します。

二つのブレーキが浮力に勝てば流体は静止します。浮力が勝てば対流が点きます。

ブシネスク近似 — 密度変化を一項に

ブシネスク近似は、密度を浮力項の中だけで温度の関数にします。

体膨張係数は、温度が 1 度上がったとき密度が減る割合です。

β≡−1ρ(∂ρ∂T)P\beta \equiv -\frac{1}{\rho}\left(\frac{\partial \rho}{\partial T}\right)_P

β は膨張係数、ρ は密度、T は温度です。理想気体なら β は 1/T です。

密度差は温度差に変わります。

ρ∞−ρρ≈β (T−T∞)\frac{\rho_\infty - \rho}{\rho} \approx \beta\,(T - T_\infty)

ρ∞ と T∞ は、遠くの静止流体の密度と温度です。この一行が、鉛直平板の境界層の運動量式に浮力を埋めます。

u∂u∂x+v∂u∂y=gβ (T−T∞)+ν∂2u∂y2u\frac{\partial u}{\partial x} + v\frac{\partial u}{\partial y} = g\beta\,(T - T_\infty) + \nu\frac{\partial^2 u}{\partial y^2}

u と v は速度、g は重力加速度、ν は動粘性係数です。右辺の第 1 項が浮力、第 2 項が粘性です。エネルギー式は温度を拡散で運びます。

u∂T∂x+v∂T∂y=α∂2T∂y2u\frac{\partial T}{\partial x} + v\frac{\partial T}{\partial y} = \alpha\frac{\partial^2 T}{\partial y^2}

α は熱拡散係数です。

グラスホフとレイリー — 二つの無次元数の分業

式を無次元化すると、浮力項は一つの数にまとまります。グラスホフ数です。

Gr=gβ (Ts−T∞) L3ν2∼浮力粘性力\mathrm{Gr} = \frac{g\beta\,(T_s - T_\infty)\,L^3}{\nu^2} \sim \frac{\text{浮力}}{\text{粘性力}}

Ts は壁温、L は特性長さです。グラスホフ数は、強制対流で 長さで流れの居場所を分けるレイノルズ数 がしていた仕事を引き受けます。

相手は粘性だけではありません。熱拡散も温度差を消します。その第二のブレーキはプラントル数、運動量拡散と熱拡散の比 Pr = ν/α を掛けて入ります。積がレイリー数です。

Ra=Gr⋅Pr=gβ (Ts−T∞) L3ν α\mathrm{Ra} = \mathrm{Gr}\cdot\mathrm{Pr} = \frac{g\beta\,(T_s - T_\infty)\,L^3}{\nu\,\alpha}

分母に ν と α が一緒にいます。対流が点くかは Gr 一つではなく Ra が決めます。

1708という閾値#

下から温められる層を線形安定性解析に入れると、臨界値が出ます。上下が固体壁なら Ra_c は 1708 です。それより小さいと、擾乱は粘性と熱拡散に食われて消えます。流体は静止し、熱は伝導だけで動きます。

1708 を越えると、並んで逆に回るロール、ベナールセルが点きます。セルの幅は層の厚さの約 2 倍です。前の Ra スライダーがその戸をまたぎます。

Python — 鉛直平板のヌセルト数を追う#

壁がどれだけ冷えるかはヌセルト数 Nu = hL/k、伝導に対する対流です。鉛直等温平板にはチャーチル–チューの式があります。60 度の壁を 20 度の空気の中に、高さ 0.30 m で立てます。

import numpy as np
 
def rayleigh_number(Ts, Tinf, L, beta, nu, alpha, g=9.81):
    # 浮力と (粘性 x 熱拡散) の比
    return g * beta * (Ts - Tinf) * L**3 / (nu * alpha)
 
def churchill_chu_vertical(Ra, Pr):
    # 鉛直等温平板 -- 全域で有効
    denom = (1.0 + (0.492 / Pr)**(9 / 16))**(8 / 27)
    return (0.825 + 0.387 * Ra**(1 / 6) / denom)**2
 
# 膜温度基準の空気物性
nu, alpha, Pr, k = 1.85e-5, 2.60e-5, 0.71, 0.027
Ts, Tinf, L = 60.0, 20.0, 0.30          # 60C 壁, 0.3 m の高さ
beta = 1.0 / (0.5 * (Ts + Tinf) + 273.15)  # 理想気体 1/Tf
 
Ra = rayleigh_number(Ts, Tinf, L, beta, nu, alpha)
Nu = churchill_chu_vertical(Ra, Pr)
h = Nu * k / L
q = h * (Ts - Tinf)                     # 単位面積あたりの熱損失
 
print(f"Ra = {Ra:.2e}")
print(f"Nu = {Nu:.1f},  h = {h:.2f} W/m^2K")
print(f"q  = {q:.1f} W/m^2")
 
# Ra = 7.03e+07
# Nu = 54.9,  h = 4.94 W/m^2K
# q  = 197.6 W/m^2

cyan: Churchill–Chu  ·  green: laminar 0.59 Ra1/4  ·  pink: turbulent 0.10 Ra1/3

Pr のスライダーを液体金属側へ下げると曲線は下がり、油側へ上げると上がります。Ra マーカーを 1e9 の向こうへ押すと、傾きが 1/4 から 1/3 に替わります。

出力に出た数は Ra 7.03e7、Nu 54.9、h 4.94、熱流束 197.6 です。膜温度は 40 に 273.15 を足した 313.15 K で、膨張係数はその逆数、約 0.003193 です。粘性と熱拡散の積は 1.85e-5 掛ける 2.60e-5、すなわち 4.81e-10 です。高さ 0.30 m の 3 乗は 0.027 です。この断片がコードの重力 9.81 と温度差 40 に会って、印刷された 7.03e7 になります。Nu 54.9 に 0.027 を掛けて 0.30 で割ると 4.941 になり、出力の h 4.94 と揃います。4.94 掛ける 40 は 197.6 なので、熱流束の行も閉じます。この Ra を Pr 0.71 で割ると Gr は約 9.90e7 です。1708 と並べる数ではありません。

同じ Ra で層流の別名、0.59 掛ける Ra の 1/4 乗は約 54.0 です。出力の 54.9 はそれより約 0.9 上にあります。乱流の別名、0.10 掛ける Ra の 1/3 乗は約 41.3 です。その Nu で h を組み直すと約 3.72、熱流束は約 149 です。197.6 の約 4 分の 3 です。

Ra が 1e9 になるには 7.03e7 の約 14.2 倍が要ります。高さは 3 乗で入るので、0.30 m は約 0.73 m になって初めてその戸に届きます。それより手前のこの平板は 1/4 の指数側です。同じ空気、同じ 40 度で Ra が 1708 になる長さは約 8.7 mm です。その長さは密閉層の厚さです。0.30 m の平板の戸として 1708 を読むと、幾何が違います。

出力の 197.6 は平方メートルあたりの熱流束です。幅を高さと同じ 0.30 m にすると面積は 0.09 m^2 で、板 1 枚が失う熱は 197.6 掛ける 0.09、約 17.8 W です。

層流の別名だけをたどると、Nu は Ra の 1/4 乗、Ra は高さの 3 乗なので、h は高さの -1/4 乗で動きます。高さを 2 倍にすると h は 2 の -1/4 乗、約 0.841 倍になります。4.94 は約 4.15 になり、熱流束は約 166 まで減ります。1/3 の指数ではその減少が消え、h は高さに残りません。この出力の Ra は、まだその指数ではありません。

ヌセルト相関式のひとまとめ

形ごとに式は違います。

  • 鉛直平板: Nu=0.59 Ra1/4\mathrm{Nu} = 0.59\,\mathrm{Ra}^{1/4} (層流, 10410^4–10910^9)、Nu=0.10 Ra1/3\mathrm{Nu} = 0.10\,\mathrm{Ra}^{1/3} (乱流, 10910^9–101310^{13})。全域はチャーチル–チュー。
  • 水平加熱板、上向き: Nu=0.54 Ra1/4\mathrm{Nu} = 0.54\,\mathrm{Ra}^{1/4} (10410^4–10710^7)、0.15 Ra1/30.15\,\mathrm{Ra}^{1/3} (10710^7–101110^{11})。
  • 水平加熱板、下向き: Nu=0.27 Ra1/4\mathrm{Nu} = 0.27\,\mathrm{Ra}^{1/4}。
  • 下から温める密閉空間: Rac=1708\mathrm{Ra}_c = 1708 を越えるとベナールセル。

水平板の特性長さは面積割る周長、L=As/PL = A_s/P です。乱流の指数 1/3 では Nu\mathrm{Nu} が Ra1/3\mathrm{Ra}^{1/3} に比例し Ra\mathrm{Ra} が L3L^3 に比例するので、h=Nu k/Lh = \mathrm{Nu}\,k/L から LL が落ちます。乱流自然対流の熱伝達率は大きさに縛られません。上の 0.30 m の平板は、まだその相殺を使う高さではありません。

7.03e7に乱流指数を載せると熱流束が削れます#

1/3 をこの出力に載せると Nu 54.9 は約 41.3 まで下がり、197.6 は約 149 まで削れます。高さを式から消す指数なので、0.30 m も一緒に消えます。層流の枝では高さを変えると h が追って動きます。指数を先に選ぶと、その動きが間違った理由で死にます。

1e9 は約 0.73 m で初めて来ます。セルが点いた密閉層でモードを三つだけ残すと、この熱流束はどこまで残るのか。その問いを ロールを三つの式に折った Lorenz 模型 が持っています。

役に立ったらシェアしてください。