この記事は著者が韓国語で書いた原文の翻訳です。 原文(한국어)を読む
流れの三つの肖像 — 流線・流跡線・流脈線はなぜ食い違うのか
インクの帯は流脈線です。定常流でも加速は対流項が作り、局所項が0でも喉では速度が跳ねます。
川にインクを一筋流して、写真を撮りました。同じ瞬間に、葉一枚の軌跡を描きました。二本の線は違っていました。流れは一つなのに、絵は二つです。流線・流跡線・流脈線が分かれる場所は時間で、その分かれは物質微分(流体に乗って見る変化率)と接しています。
収縮比のスライダーを0.25まで下げると、のど付近の粒子速度が4倍に跳ねます。
Nothing in this field depends on time, so ∂u/∂t = 0 at every fixed point. Yet the pink parcel still accelerates into the throat — all of it from the convective term u·∂u/∂x.
それでも の棒は0に張り付いたままです。加速はすべて青い対流項から出ています。局所項が0なのに、粒子は速くなります。
同じ流れ、異なる三枚の絵
流れを絵に残す方法は一つではありません。研究室では普通、三つを使います。
ある瞬間に、すべての点の速度の向きをつなぎます。粒子一つに目印を付けて、その足跡を追います。一か所から染料を流し続けて、できる帯を撮ります。同じ流れでも、結果がいつも一致するわけではありません。
分かれるのは時間です。流れが時間とともに変われば(非定常流)、三枚の絵は食い違います。変わらなければ(定常流)、三つはぴったり重なります。
流線・流跡線・流脈線 — 三つの定義
三つの曲線を式で切り分けてみましょう。速度場を とします。
流線(streamline):固定したある瞬間 に、全点で速度に接する曲線です。
ここで はその瞬間の速度成分です。時間を止めたスナップ写真です。
流跡線(pathline):粒子一つを時間に沿って積分した実際の足跡です。
木の葉一枚の旅の記録だと考えてください。
流脈線(streakline):同じ点 を通り過ぎたすべての粒子が、いま どこにいるかをつないだ線です。煙突から立ちのぼる煙やインクの帯がまさにこれです。管に入れた染料の筋も同じ種類です。水の筋が乱れる瞬間の色素は、流線ではなくこの帯です。
定常流でのみ三つが重なる
定常流とは、速度場が時間に依存しない流れ、すなわち の場合です。このとき、粒子が一度ある点を通れば、後から来る粒子も同じ道をたどります。道が時間とともに変わらないからです。
そのため流跡線と流脈線が一致します。流線も毎瞬間同じなので、三つすべてが重なります。教科書で見る「きれいな流線図」は、実は定常流という暗黙の仮定の上に立っています。
非定常流ではこの仮定が崩れます。先に通った粒子の道と後の粒子の道が違い、瞬間の接線方向も毎瞬間変わります。だから三つの曲線は離れていきます。
オイラーとラグランジュ、そして物質微分
この食い違いの根には二つの視点があります。オイラー視点(空間の固定点で観察)とラグランジュ視点(粒子を追って観察)です。流線はオイラー的、流跡線はラグランジュ的です。
二つの視点をつなぐ橋が物質微分です。
ここで は任意の物理量、右辺の第一項は局所変化率、第二項は対流変化率です。前者は「固定点での時間変化」、後者は「粒子が場所を移したことで生じる変化」を意味します。
直感がつまずきやすいのがここです。定常流で でも、粒子は加速できます。狭まるノズルを思い浮かべてください。固定点で見れば速度は時間とともに変わりません。しかし粒子がのどへ吸い込まれるにつれてどんどん速くなります。その加速をすべて作るのが対流項 です。
収縮比0.25での4倍と、0に張り付いた局所項の棒は、冒頭のスライダーですでに出ています。ここで新しく見るのは、その4倍を作っているのが対流項だけだという点です。
Python — 振動する流れで三つの曲線を描く#
三つの曲線を一度に描いてみましょう。横方向速度が下流へ伝わる波である流れを使います。、、ここで です。この流れでは三つの曲線がきれいに異なる形を持ちます。
import numpy as np
U, V0, omega = 1.0, 0.6, 2.0
k = omega / U
def velocity(x, t):
"""下流へ伝わる横波: (u, v) を返す"""
return U, V0 * np.cos(omega * t - k * x)
def pathline(t0, t_end, dt=0.01):
"""t0 に原点から出た粒子の足跡(数値積分)"""
x, y, t = 0.0, 0.0, t0
xs, ys = [x], [y]
while t < t_end:
u, v = velocity(x, t)
x += u * dt; y += v * dt; t += dt
xs.append(x); ys.append(y)
return np.array(xs), np.array(ys)
def streakline(t_now, n=400):
"""t_now 時点の染料帯: s<=t_now に放出した粒子の現在位置"""
s = np.linspace(0.0, t_now, n)
x = U * (t_now - s)
y = V0 * np.cos(omega * s) * (t_now - s) # この流れでの厳密解
return x, y
def streamline_snapshot(t_now, x_max=10.0, n=400):
"""t_now の瞬間、原点を通る流線"""
x = np.linspace(0.0, x_max, n)
y = (V0 / omega) * (np.sin(omega * t_now) - np.sin(omega * t_now - k * x))
return x, y
t_now = 6.0
xp, yp = pathline(0.0, t_now)
xs, ys = streakline(t_now)
xl, yl = streamline_snapshot(t_now)
print(f"流跡線の終点 : ({xp[-1]:.2f}, {yp[-1]:.2f})")
print(f"流脈線 y 範囲: [{ys.min():.2f}, {ys.max():.2f}]")
print(f"流線 y 範囲: [{yl.min():.2f}, {yl.max():.2f}]")出力は、三つの曲線がまったく異なる領域を占めることを示します。流跡線は直線に伸び、流線は振幅 の浅い波、流脈線はそれより大きく揺れます。同じ流れ、異なる三枚の絵です。
コードの数値は U=1、V0=0.6、ω=2、t_now=6 です。k=ω/U なので k は 2 です。粒子の上では位相 ωt−kx が打ち消されます。u が U で一定なら x=Ut となり、kx=ωt なので v=V0 の定数です。だから流跡線は曲線ではなく、直線 y=(V0/U)x=0.6x です。t=6 なら終点は (6, 3.6) です。dt=0.01 の積分も、位相が 0 である限り、毎ステップ同じ直線をたどります。
流線の式は (V0/ω) にサインの差を掛けます。V0/ω=0.6/2=0.3 です。サインの差は −2 から 2 の間なので、y は ±0.6 を超えられません。浅い波の幅がこの限界です。その端に届くには、kx が一回転を超えて回る必要があります。k=2 で x が 0 から 10 までなので、位相の幅は 20 ラジアン、三回転を超えます。t_now=6 では ωt=12 なので、スナップショット一つがその区間を覆います。±0.6 は式の飾りではなく、この窓で実際に届く端です。
流脈線は y=V0 cos(ωs) に (t−s) を掛けたものです。コサインの絶対値は 1 を超えず、t−s は 6 まで伸びます。|y| の上限は 0.6 掛ける 6、つまり 3.6 です。流線の限界 0.6 の六倍です。同じ V0 なのに流脈線だけ大きく揺れるのは、放出時刻の差が掛けられるからです。収縮比 0.25 は面積比です。非圧縮なら速度は面積の逆数なので、のどでは 4 倍になります。その 4 倍は局所項ではなく、対流項がすべて作ります。
非定常性を自分で揺らす
では時間を生かして、三つの曲線がどう分かれるかを見ましょう。下のシミュレーションで振幅 と周波数 を操作してみましょう。
Field: u = U, v = V₀·cos(ωt − kx) with k = ω/U. Drag V₀ to 0 and the three curves collapse onto the axis — they only ever agree when the flow is steady.
をゼロに下げると、三つの曲線が軸の上に重なります。定常流に戻ったのです。 と を上げると、黄色の流線は速く波打ち、ピンクの流跡線はまっすぐ伸び、シアンの流脈線はまた別の波形を描きます。非定常性が強いほど、三つの肖像は遠ざかります。
インクの帯を流線と読むと方向がずれます
写真の中のインクを流線と書くと、速度の接線を、いま染料がある場所のほうへ読むことになります。非定常流ではその二つは違います。流線は時間を止めた断面で、流脈線は一か所を通り過ぎた粒子たちの現在です。物質微分 の対流項は、定常流でも加速を作ります。局所項が0だという理由だけで粒子が等速だと書くと、ノズルの4倍が抜け落ちます。
定常流なら三つは重なります。違えば、流れが時間とともに変わっている合図です。煙突が煙を引き上げる浮力を測る前に、その煙が流脈線かどうかから選びます。帯を流線に置くと、方向が違います。
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